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国際課税の動向と執行の現状  その3




(3)移転価格税制に係る実地調査の状況

移転価格課税については、課税事案を二つに分けて考える必要があります。一つの区分は、一般法人税と同時におこなわれる、簡易な役務提供や資金提供に係る事案で、申告漏れ所得金額も移転価格としては比較的少額な事案であり、もう一つの区分は、調査部の移転価格調査部門が行う移転価格調査で、申告漏れ所得金額も比較的多額で、調査期間も2年ほどかかる事案です。

(4)移転価格税制に係る事前確認(APA)の申立及び処理の状況

APAの申出の件数は、平成25事業年度は、全国で115件、その内東京国税局は77件で全体の67%です。処理の件数は、全国で121件、その内東京国税局における処理件数は68件で全体の56%です。

ここで特徴的なのは、全国ベースでは処理件数が申出件数を上回っているのに対し、東京国税局では処理件数が申出件数を下回っていることです。この原因としては、東京国税局における申出件数そのものが多いということのほかに、二つのことが考えられます。一つは、東京国税局に提出されるAPAの申出は、審査が難しい複雑な取引に係る事案で、審査日数を多く要する事案が少なからずあるということで、もう一つは、移転価格課税のリスクがほとんどないような少額取引に係る申出が増加していることです。

(5)相互協議事案数の推移

相互協議の発生件数は、平成25事業年度は、全国で197件、その内移転価格課税に係るものが37件、APAに係るものが152件、その他が8件となっており、相互協議事案全体の内、約80%がAPAに係るものとなっています。ちなみに、APAに係る平均的な処理期間は、約20ヶ月となっています。また、相互協議事案全体に占めるOECD非加盟国(中国、インド、インドネシア、シンガポール、タイ)との協議事案の割合増加傾向にあり、発生件数の約23%を占めています。そして、OECD非加盟国との相互協議事案に限って見ると、処理事案一件あたりに要した平均的な期間は、40ヶ月と平均の1.8倍で、OECD非加盟国との相互協議は長引く傾向にあると言える。

3.租税条約等に基づく情報交換ネットワークの拡充

(1)我が国における租税条約ネットワーク

我が国は64条約を90ヶ国・地域と租税条約等を締結しています。条約の種類は、いわゆる租税条約、情報交換協定及び執行共助条約の三つがあります。

イ、租税条約(53条約、64ヶ国・地域)

2国間の枠組みである二重課税の回避、脱税及び租税回避等への対応を主たる内容とする条約。条約数と国・地域の数が一致しないのは、旧ソビエト及び旧チェコスロバキアとの条約を複数国に承継しているため。

ロ、情報交換協定(10条約、10ヶ国)

同じく2国間の枠組みである租税に関する情報交換を主たる内容とする条約。

ハ、執行共助条約(1条約、48ヶ国)

多国間の枠組みである租税行政執行共助条約については、平成25年10月1日に我が国で発行しました。執行共助条約は、租税に関する行政支援を相互に行うための多国間条約です。締結国は我が国を除いて全48ヶ国です。その内我が国と2国間条約を締結していない国が16ヶ国あります。

(2)租税条約等に基づく情報交換実績

イ、要請に基づく情報交換

条約等締結国の税務当局に対し、必要な情報の収集・提供を要請する。

ロ、自発的情報交換

自国の納税者に対する調査等の際に入手した情報で、外国税務当局にとって有益と認められる情報を自発的に提供することです。国税庁から外国税務当局に提供した自発的情報交換の件数は6881件で、逆に外国税務当局から国税庁に対して提供された自発的情報交換の件数は3062件です。情報提供の件数が増加しているのは、国税庁が法定調書である国外送金調書等を基にオフショア地域を通じた資金の流れを資料化し、関係国の税務当局に提供したためであり、他方外国税務当局からの提供件数については、日本の居住者が国外において行った資産の譲渡に係る情報が多数提供されたためです。

ハ、自動的情報交換

法定調書等から把握した非居住者への支払い等(配当、不動産所得、無形資産の使用料、給与・報酬、キャピタルゲイン等)に関する情報を、支払い国の税務当局から受領国の税務当局へ一括して送付するものです。

(3)要請に基づく情報交換の活用

租税条約等に基づく情報交換の三つの類型の内、実地調査において最も有効だと思われるのが「要請に基づく情報交換」です。

その4に続く


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