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国際課税の動向と執行の現状 その5




4.東京国税局調査部における国際課税の執行状況

(1)海外取引法人等に係る実地調査

東京国税局の実地調査 26,232件のうち、海外取引を行っている法人の件数は 5661 件で、その割合は22%です。ただ、調査部のみの海外取引法人の調査割合は、7割程度はあり、製造業のついてはもっと割合は高いと思われる。

海外進出企業の、海外生産比率は35.6%となっている。

このような企業の海外形態を反映して、海外取引を行っている法人における非違の内容は、単純な海外取引というより、海外製造子会社の設立や海外における受注活動・販売活動にまつわる費用負担等に係るものが多くなっている。

(2)海外子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)に係る実地調査

東京国税局における海外取引を行っている法人に係る実地調査の件数は 5661件で、その内タックスヘイブン対策税制に係る非違件数は、わずか33件です。

昭和53年にタックスヘイブン対策税制が導入されて以来、数々の改正がなされ、今日ではタックスヘイブン国とも情報交換協定を締結するに至っており、課税当局も、海外情報を容易に入手できるようになっています。一方、企業サイドもタックスヘイブン対策税制についての理解が進み、十分な対応されるようになっています。近年、海外進出企業が、この税制を知らず、申告書に別表17(3)を添付せずに特定外国子会社等の課税対象金額の合算を失念するということは、めったにありません。

調査による非違は

イ、課税対象金額に誤りがあったもの

ロ、適用除外の判定に誤りがあったもの

ハ、特定外国子会社等の判定に誤りがあったもの

ニ、租税負担割合の計算に誤りがあったもの

などです。

なお、平成22年の改正により、適用除外基準を満たす特定外国子会社等であっても、一定の資産性所得(ポートフォリオ株式・債券の運用による所得、使用料等)については合算対象とされることになりました。

(3)移転価格税制に係る実地調査

移転価格税制は、昭和61年に我が国に導入され、その後幾度となく改正されました。特徴的なのは、改正がOECD租税委員会における「移転価格ガイドライン」の議論を踏まえたものになっていることです。

企業サイドにおいても、タックスヘイブン対策税制とやや異なり、理解と対応が進んだ部分とそうでない部分があるようです。

それは、移転価格課税は一般法人税調査と同時に行われるもので、申告漏れ所得金額も移転価格としては比較的少額である簡易な役務提供取引や資金提供取引の事案と調査部の移転価格調査部門が行う申告漏れ所得金額が比較的多額で、調査期間も2年前後を要する移転価格調査部門とに分けて考える必要があります。

イ、一般法人税調査と同時に行われる簡易な役務提供取引(これに関しては、その理解と対応が十分でない企業が見受けられます。)

我が国の製造業は、海外に生産拠点を移管する企業が増えています。そして、企業が海外に製造子会社を設立して製品を製造・販売するまでには、国内親会社の支援が必要となる場合が多くあります。親会社による海外子会社支援(役務提供や資金提供)は、親子間の取引としては当然のことと考えることもできます。しかし、移転価格税制の観点から見れば、親会社が海外子会社からその役務提供の対価を独立企業間価格で受け取っているか否かが問題となります。

調査においては、①役務提供契約を締結しているか?②契約上の対価の額は適正か、原価割れしてないか?③契約上の対価を収受しているか?の点が問題となります。

そして、おおまかに言うと、契約を締結していない場合や契約上の対価を収受していない場合には国外関連者寄付金の問題となり、 契約上の対価が適正でない場合には、移転価格の問題となります。

ロ、調査部の移転価格調査部門が行う移転価格調査

この、相互協議で解決を図るような大型の移転価格課税事案は、それほど多くはありません。なぜなら、過去において一度移転価格課税を受けた企業は、移転価格課税を回避するためその後の課税年度において、国外関連取引のみならず、その他の国外関連取引についても、APAを申し出るケースが多く見受けられます。

ハ、移転価格課税の動向

簡易な役務提供②係る移転価格課税事案は増加傾向にありますが、調査部の移転価格調査部門が行う移転価格課税事案の件数は、調査期間が長いこともあり年により変動はあるものの、平均するとあまり変動はないようです。

調査部の移転価格調査部門が行う移転価格調査においては、外資系法人の事業再編等を利用した租税回避的な取引や内資系法人のBEPS(Base Erosion  and  Profit Shifting . 税源侵食と利益移転)的な取引に対しては厳正に対処することとしている。

その6に続く


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