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国際課税の動向と執行の現状  その7




5.国際課税制度に係る最近の改正と執行上の課題

(1)外国法人の課税原則の見直し(平成26年度税制改正)

イ、導入の経緯と改正の概要

(イ)外国法人等に対する課税

a.外国法人及び非居住者に対する課税原則について、従来の「総合主義」を改め、OECDモデル租税条約第7条の考え方に基づき「帰属主義」に則した国内法の規定に改めた。

b.恒久的施設(PE)帰属所得の位置づけ

外国法人等についてはその国内源泉所得に対して課税するという現行の基本的考え方を維持しつつ、外国法人等が我が国に有するPEに帰属する所得を、国内源泉所得の一つとして位置づける。

つまり、新たに「PE帰属所得」というカテゴリーを設けるのではなく、従来の国内源泉所得課税という枠組みの範囲内で、PE帰属所得を国内源泉所得と位置づけるということです。

c、PE帰属所得の算定

①PE帰属所得

PE帰属所得については、AOA(Authorized OECD Approach)に基づき、そのPE本店等から分離独立した企業であると擬制した場合に得られる所得とする。

②内部取引

PE帰属所得の算定においては、AOAに基づき、PEと本店との内部取引について、独立企業間価格による取引が行われたものと擬制して、内部取引損益を認識する。

③PEへの資本の配賦・PEの支払利子控除制限

PEが本店等から分離独立した企業であると擬制した場合に必要とされる程度の資本をPEに配賦する。また、PEが支払った負債利子総額(内部利子を含む)のうち、そのPEに配賦された資本に対応する部分について、損金に算入することを制限する。

このPEに対する資本の配賦という作業については、執行当局としては未経験の部分です。

d.外国法人等のPEのための外国税額控除制度を創設

PE帰属所得の中には第三国で課税される所得が含まれる可能性もあります。この場合には、二重課税排除の観点から外国法人にも外国税額控除を認めるというものです。

(ロ)内国法人等に対する課税

以上が外国法人等事業所得に係る主な改正の内容ですが、これに関連して内国法人等の外国税額控除の算定方法についても改正されています。

内国法人等の外国税額控除について、国外PEに帰属する所得を国外源泉所得と定義するとともに、国外PE帰属所得の算定に当たっては、外国法人等のPE帰属所得と同様に内部取引等を認識して計算する。

(ハ)内部取引に係る文書化義務

本支店間の内部取引は、私法上の取引ではないため、一定の文書の作成が義務づけられています。

文書化

同一法人格の本店とPEとの間の内部取引については、契約書等が当然には存在しないため、内部取引の存否及び内容を明確にするための文書を作成・提示することを必要とする。

ロ、執行上の影響

この制度における執行上の影響については、次のことから、あまり広範囲にわたらず、限定的なのではないかと考えている。

(イ)PE帰属所得

上記イの外国法人の事業所得課税の課税原則が総合主義から帰属主義へ移行する改正は、長年国際課税に携わってきた者にとっては非常にインパクトのある改正です。

(ロ)内国法人等の外国税額控除

日本企業が海外進出する場合についても、海外における損失リスクを出資金の範囲に止める等の理由から、多くの企業は現地子会社を設立する方法で進出しており、外国に直接支店を設置する企業は、現地での規制上支店による進出が求められる場合等を除けばほとんどないのではないでしょうか。そうすると、この制度改正の影響を受けるのは限られた業界の少数の企業なのではと思われます。


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